資料
16
平成28年5月26日第10回いわき市水道事業経営審議会資料
水道料金制度のあり方
目
次
1
本市の水道料金制度の現状と課題
・・・・・・・・・・・・・
1
⑴
本市の水道料金制度
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1
⑵
現行の水道料金と今後の水道料金
・・・・・・・・・・・・
1
⑶
本市の水道料金制度の課題
・・・・・・・・・・・・・・・
2
2
料金制度見直しの必要性
・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
⑴
国及び県の考え
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
4
⑵
本市の考え
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
5
3
逓増型料金制度見直しにあたっての考え方
・・・・・・・・・
6
⑴
水道料金算定要領における水量料金の設定の考え方
・・・・
6
⑵
本市の料金制度見直しの考え方及び問題点
・・・・・・・・
7
4
問題点を踏まえた見直し方法
・・・・・・・・・・・・・・・
9
5
その他の見直し方法
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
11
⑴
基本料金と水量料金の割合の見直し及び
水量料金の単価見直しについて
・・・・
11
⑵
大口需要者対策について
・・・・・・・・・・・・・・・
11
【参考】大口需要者対策に関する制度について
参考
1
個別需給給水契約制度の例
・・・・・・・・・・・
12
1 本市の水道料金制度の現状と課題
⑴ 本市の水道料金制度
・ 本市の水道料金は、使用量にかかわらず負担する「基本料金」と使用量に応じて負担する「水
量料金」で構成される二部料金制を採用しています。
・ 「基本料金」は、メーターの口径が大きくなるほど料金が高くなる口径別料金制度を採用し、
「水量料金」は、使用水量が多くなるほど料金単価が高くなる逓増型料金制度を昭和47年度
から採用しています。
・ 逓増型料金制度を採用することにより、大口需要者には平均単価よりも高額な単価設定がな
されて水需要を抑制する一方で、小口需要者には平均単価よりも低廉な単価設定による生活用
水の確保が図られてきました。
○ 逓増型水量料金制度イメージ図(本市の現行料金制度) (税込)
⑵ 現行の水道料金と今後の水道料金
・ 現行の水道料金は、現行の中期経営計画のうち、第一期中期経営計画期間(平成19~22年
度)の4年間を算定期間とし算定されたものです。
・ その後、第二期中期経営計画期間(平成23~26年度)において、さらにその後、第二期中
期経営計画期間の2年間延長(~平成28年度)においても、不況や東日本大震災の影響など
の社会状況を考慮し、現行の水道料金水準を維持するべきとの経営審議会からの答申を受け、
改定を見送ったことから、平成26年4月に消費税率引き上げに伴う改定は実施したものの、
本体料金部分(消費税抜きの金額)については、平成19年度から現在まで10年間据え置きと
してきました。
・ 平成29年度からは、新たな経営計画期間(平成29~38年度)となることから、計画期間内
の事業の着実な実施のための資金が確保できるかどうかを基に、計画期間のうち前半期間(3
~5年程度)の水道料金について、現行料金水準を維持していくのか、又は料金改定を実施す
るかの判断が必要となります。
単
価
(
円
)
使 用 量(㎥)
平均単価
(166.32円)
〇 現行の水道料金及び今後の水道料金についてのスケジュール
※ 【参考】 料金の改定はどのような時に行うのか?
料金改定は様々な状況により実施されますが、主なものとしては、以下のものが考えられま
す。
・給水収益の増加(減少)による資金過不足 ・今後必要となる更新費用の確保
・料金体系の見直し ・市町村合併による料金格差是正
・基本水量制の見直し ・近隣事業体との料金格差是正 など
⑶ 本市の水道料金制度の課題
・ 本市では、給水人口の減少とともに、経済動向を踏まえた大口使用者の節水行動や、節水型
社会への移行等による水需要の減少などにより、給水収益が年々減少する厳しい状況を迎えて
います。
・ さらに、水需要の構造についても、大口使用者は減少する一方、核家族化の進行や単身世帯
の増加により、小口使用者が増加するなどの変化が起こっています。
・ このような中、本市で採用している逓増型料金制度は、平均単価よりも高額な単価で使用す
る大口使用者が減少し、平均単価よりも低額な単価で使用する小口使用者が増加している近年
の状況においては、使用量の減少以上の速度で収入の減少を招くおそれがあり、水需要の構造
変化に適切に対応している制度とは言い難いものとなっています。
平成 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 年度
【
経 営 計 画】
【
現 行 の 水 道 料 金】
当初算定期間 (19~22年度)
現行料金水準の維持 (23~26年度) 第一期中期経営計画
(19~22年度)
第二期中期経営計画
(当初:23~26年度 変更:23~28年度)
新たな経営計画 (29~38年度)
新たな料金算定期間 (29年度から3~5年程度) 現行料金水準の維持
(27~28年度)
現行の料金水準を 維持するのか、改 定を行うのかにつ いての判断が必要 当初算定期間4年間に対し、
現在まで10年間改定なし
【
今 後 の 水 道 料 金】
○ 給水収益と有収水量の推移
○ 段階別の有収水量の推移(浴場用、船舶用を除く)
① 0~10㎥ ②11~20㎥ ③21~50㎥
④51~100㎥ ⑤101㎥以上
2 料金制度見直しの必要性
⑴ 国及び県の考え
・ 国では、『新水道ビジョン(平成25年3月)』において、「重点的な実現方策」の中で、「料
金制度の最適化」として「逓増型料金制度の検証」という項目を設け、「水需要減少傾向の現
状にあって、従来からの逓増制料金体系についても、緩やかな見直しを」との提言をしていま
す。
※ 【参考】 逓増型料金制度の検証について(新水道ビジョンより抜粋)
従量制に偏った、かつ逓増型の料金体系は、水需要が右肩上がりで水資源が不足していた時
代には適応していましたが、水需要が減少傾向にある現状においては、需要減少以上の速さで
収入減を招き、固定費部分の料金回収もできなくなるおそれがあるなど、安定経営に資する料
金体系とは言い難い状況です。このため、社会環境の変化に伴い、経営の安定に向けた料金体
系の見直しを検討する必要があります。
~ 中 略 ~
これからの水道事業には、逓増型からの脱却を見据え、新たな料金システムの導入に積極的
に取り組み、アセットマネジメントを活用しつつ、将来の事業収入の実情に即した料金体系の
適正化を図る方策が必要です。
・ また、県では『福島県くらしの水ビジョン(平成26年3月)』において、「適正な水道料金
の設定」という項目を設け、「今後、水道需要の主体が業務用から家庭用に移行し、現在の料
金体系が水道需要の実態と合わなくなってくることは明らかであり、これらに配慮し、基本水
量制や逓増型料金体系を見直し、需要構造の変化に対応できるようにすることが求められる」
との提言をしています。
※ 【参考】 適正な水道料金の設定について(福島県くらしの水ビジョンより抜粋)
水道料金の一般的な体系は、家庭用・業務営業用・工場用といった用途別、又は給水管の口
径に伴う口径別に設定されています。これは、用途・口径に応じて負担に格差を設け、特に生
活用水としての家庭用水(小口径が多い)を低額に抑えるという政策的な配慮を行い、不足す
る費用を大口の業務用や工場用等で回収しようとするものです。
しかし、このような仕組みは節水型産業の増加や事業用専用水道の増加などで崩れつつあり
ます。今後、水道需要の主体が業務用から家庭用に移行し、現在の料金体系が水道需要の実態
と合わなくなってくることは明らかであり、これらに配慮し、基本水量制や逓増型料金体系を
見直し、需要構造の変化に対応できるようにすることが求められます。
・ このように、国、県ともに逓増型料金制度については、見直しが必要であると考えています。
⑵ 本市の考え
・ 本市では、料金制度の見直しについて、第11、12、13次水道事業経営審議会にて審議を重 ねており、次のとおりの答申を受けています。
〇 第11次水道事業経営審議会(平成20年10月答申)
『使用者間の負担の公平性を高めるためにも、大口使用者の需要を促すためにも、今後は逓
増度を緩和し、料金格差を縮小すべきである』
〇 第12次水道事業経営審議会(平成22年10月答申)
『市民生活や地域経済が厳しいこの時期に料金制度見直しを行うべきではないと判断される
ことから、今後設置される審議会で改めて審議されたい。』
〇 第13次水道事業経営審議会(平成24年10月答申)
『平成23年3月に発生した東日本大震災で市民生活、地域経済は、かつてない深刻な状況 に陥っており、また、東京電力㈱福島第一原子力発電所の事故処理及び社会情勢の先行きが不
透明で、適切な検討資料に基づいて審議することが困難であることから、このような時期に料
金制度見直しの審議を行うことは適当ではないと判断する。
・ なお、第14次水道事業経営審議会では、料金制度の見直しについての審議は行っておりま せんが、中期経営計画の2年間延長の審議に関連し、次のとおりの答申を受けています。
〇 第14次水道事業経営審議会(平成26年10月答申)
平成28年度までの計画期間内の財政収支見通しにおいては、各事業を着実に実施するため の資金が確保できており、現行の水道料金体系を維持したままでの事業経営が可能な見通しで
ある。
・ 本市では、水道事業経営審議会からの答申や現在の水需要の推移、大口需要者の動向などを
踏まえ、最適な水道料金制度について、特に水量料金における逓増型料金制度の見直しについ
て、検討すべき課題であると考えています。
・ なお、平成29年度からの次期料金算定期間(3~5年程度)においては、現在の料金体系
のままで資金収支の均衡を図ることは可能と見込まれ、必要な資金需要を確保した上で、健全
経営は確保できる見込みとなっていることから、料金値上げを伴わない料金改定による逓増型
料金制度の見直しが実施できる状況と考えています。
3 逓増型料金制度見直しにあたっての考え方
⑴ 水道料金算定要領における水量料金の設定の考え方
・ 多くの水道事業者が水道料金の設定の際に参考とする日本水道協会発出の「水道料金算定要
領」では、原則として水道料金は、特定の者に対して不当な差別的取り扱いをするものであっ
てはならないとし、料金は、個々の給水に要する個別原価に基づき設定するものとしています。
・ このことから、従量料金(水量料金)については、均一料金制とするとしています。
○ 均一料金制のイメージ図 (税込)
・ しかし、生活用水に対する配慮及び給水需給の実態を踏まえ、必要がある場合には、特別措
置を講ずることができるとされています。
・ 措置の内容としては、従量料金(水量料金)について、多量使用の抑制(促進)のために、
逓増(逓減)制とすることができるというものです。
・ 本市においても、この特別措置の考え方を基に逓増型料金制度を維持してきました。
○ 逓増型料金制度イメージ図(再掲) (税込)
使用水量にかかわらず、単価は均一
⑵ 本市の料金制度見直しの考え方及び問題点
・ 近年および今後の水需要の構造の大幅な変化に柔軟に対応するためには、均一料金制が望ま
しいとされています。
・ しかし、均一料金制を採用した場合には、現在、特別の配慮により料金が低額とされている
小口需要者にとっては、大幅な料金の値上げとなってしまいます。
・ そこで、見直しの手法として、基本料金の見直しも含め、将来的に数度にわたる料金改定の
なかで、段階的に水量料金における料金格差を緩和することにより、徐々に均一料金制へ近づ
ける手法を採用することが望ましいと考えます。
○ 逓増型料金制度見直しのイメージ(水量料金部分)
・ しかし、この考え方に基づき現行の料金制度の見直しを実施するとした場合、負担の公平性
の観点から料金制度全般の見直しとなり、高段階部分の単価は値下げされ、大口需要者の料金
負担は軽減される一方、今まで政策的な配慮から低額に抑えていた低段階部分の単価は値上げ
され、小口需要者の料金負担が増加することとなります。
・ 現在、本市の一般家庭の平均的な使用量(メーター口径13㎜、1ヶ月の使用水量20㎥)で の水道料金は、同規模事業体や中核市、県内主要都市等と比べ高い水準にあること、また、市
民生活には、まだ震災による影響が残っていることなどから、このような時期に料金制度の見
直しに係るものとはいえ、低段階部分の単価の値上げを実施することは、非常に難しい状況と
なっています。
○ 同規模事業体、中核市、県内主要都市等との料金比較(平成27年4月1日現在)
(メーター口径13㎜、1ヶ月の使用量20㎥)
4 問題点を踏まえた見直し方法
・ 前述の問題点を総合的に勘案した結果、本市における水量料金の料金格差の緩和方法について
は、最低単価(81.00円)は据え置きとしたうえで、最高単価(255.96円)を引き下げる方法が
考えられます。
・ 平成29年度からの次期料金算定期間中(3~5年程度)については、現在の料金水準のまま で資金収支の均衡を図ることは可能と見込まれ、必要な資金需要を確保した上で、健全経営は確
保できる見通しとなっています。
・ このことから、最高単価の引き下げについては、健全経営を維持するために必要となる給水収
益を確保できる範囲で実施する必要があります。
・ また、最高単価以外の単価及び水量区分についても、小口需要者の料金が引き上げとならない
ような配慮をしつつ、料金格差の緩和による減収をできるだけ小さくするような適切な水量区分
と水量単価を設定する必要があります。
○ 県内主要4市(本市を含む)の水量料金の段階数等(平成28年4月1日現在)
水量料金 の段階数
最低単価 【税込】
最高単価 【税込】
料金格差
いわき市 変更前
5 81.00円 255.96円 3.16倍
変更後 ● 81.00円 ××円 □□倍
福島市 4 90.72円 266.76円 2.94倍
郡山市 2 108.00円 226.80円 2.10倍
会津若松市 1 172.80円 172.80円 1.00倍
○ 水量料金の見直し案(例)
【変更前】 【変更後】
(円) (円)
区分 1㎥につき 区分 1㎥につき
第1段階 81.00 第1段階 81.00
1~10㎥ (75) 1~○○㎥ (75)
第2段階 168.48 第2段階 △△△.△△
11~20㎥ (156) ○○~△△㎥ (▲▲▲)
第3段階 209.52 第3段階 □□□.□□
21~50㎥ (194) △△~□□㎥ (■■■)
第4段階 234.36 第●段階 ×××.××
51~100㎥ (217) □□㎥以上 (◎◎◎)
第5段階 255.96
101㎥以上 (237)
上段:税込 下段:税抜 上段:税込 下段:税抜
水
量
料
金
水
量
料
金
第●段階以降の廃止
適
切
な
水
量
区
分
適
切
な
単
価
格
差
の
緩
和
※【参考】 段階数を5段階から4段階へ減らした場合の影響額について
(条件) ・最高単価となっている第5段階目を廃止
・現行の第1段階から第4段階の単価は見直ししない
・ 上記の条件での影響額は、平成26年度と同じ使用量として試算した場合、年あたり約1億
5,300万円(税抜)の減収となります。
○ 段階数見直しによる影響額について (改定率△1.7%)
(水量料金段階別集計表(平成26年度決算ベース)(税抜)から)
※ 船舶用水の単価については、これまで一般用の最高単価を適用してきたことから、変更後の 一般用の最高単価を適用することとして試算しました。
(メリット)
・ 単純な第5段階の廃止となることから、実質的には、最高単価の引き下げとなり、料金格差
の緩和が図れます。(料金格差 3.16(見直し前)→ 2.89(見直し後))
・ 現在、月あたり101㎥以上使用の大口需要者に対して、101㎥以上の部分について、1㎥当 たり20円の値下げとなり、地下水や工業用水等への転換などを引き留める方向に働きます。
(デメリット)
・ 第5段階の廃止に伴う減収分を他の段階へ転嫁しないので、料金収入全体では、減収となり
ます。
変更前
(平成26年度決算値)
変更後
(5→4段階)
第1段階 1㎥当たり 水量 14,748,859 14,748,859
1~10㎥ 75円 金額 1,106,164,425 1,106,164,425
第2段階 1㎥当たり 水量 8,450,445 8,450,445
11~20㎥ 156円 金額 1,318,269,420 1,318,269,420
第3段階 1㎥当たり 水量 5,714,696 5,714,696
21~50㎥ 194円 金額 1,108,651,024 1,108,651,024
第4段階 1㎥当たり 水量 1,302,000 1,302,000
51~100㎥ 217円 金額 282,534,000 282,534,000
第5段階 1㎥当たり 水量 7,605,358 152,107,160円減 7,605,358
101㎥以上 237円→217円 金額 1,802,469,846 1,650,362,686
水量 37,821,358 37,821,358
金額 5,618,088,715 5,465,981,555
1㎥当たり 水量 36,798 735,960円減 36,798
237円→217円 金額 8,721,126 7,985,166
第1段階 1㎥当たり 水量 25,701 25,701
1~500㎥ 60円 金額 1,542,060 1,542,060
第2段階 1㎥当たり 水量 23,427 23,427
501㎥以上 125円 金額 2,928,375 2,928,375
水量 49,128 49,128
金額 4,470,435 4,470,435
水量 37,907,284 37,907,284
金額 5,631,280,276 5,478,437,156
合計 一
般 用
区分
(単位:㎥・円)
船舶用
浴 場 用
小計
小計
料金の差額20円/㎥
水量7,605,358㎥
料金の差額20円/㎥
水量36,798㎥
×
=
×
=
※
5 その他の見直し方法
⑴ 基本料金と水量料金の割合の見直し及び水量料金の単価見直しについて
・ 水道事業では、本市を含め、多くの事業体において二部料金制を採用しています。
・ 固定費(費用全体の約 90%)については、本来は全額を基本料金で回収すべきであります が、基本料金が大幅に高額化してしまうことを避けて、大部分を水量料金で回収してきました。
・ この固定費について、現在よりも基本料金に配分する割合を増加させることにより、水道料
金全体に占める基本料金の割合が増加します。
・ この結果、水量料金で賄うべき費用が減少することから、水量料金の各段階の単価を引き下
げることができるようになり、料金格差の緩和を実施することができます。
・ ただし、見直しを実施する場合には、基本料金は現在より大幅に値上げとなる場合があるこ
とから、口径別の基本料金や水量料金の単価の設定の際には、使用者の大多数を占める小口需
要者への一定の配慮が必要となります。
・ 影響額については、基本料金及び水量料金の単価の設定方法を変更する全面的な見直しとな
り、さらに料金収入全体として、増収にも減収にもなる様々なケースがあることから、ここで
は一概に試算は示せませんが、慎重かつ十分な検討及び審議の必要があると考えます。
⑵ 大口需要者対策について
・ 現在、本市及び多くの事業体において採用されている逓増型料金制度では、大口需要者にと
って、「1㎥当たり」の水道料金の単価が小口需要者より高い状況となっています。
・ このことにより、料金収入へ大きな影響を与える大口需要者のさらなる節水行動や地下水利
用への転換などの水道水離れが全国的に問題となっています。
・ 多くの大口需要者が仮に地下水利用などへ転換した場合、水道料金収入が大幅に減少し、安
定した給水サービスに必要な費用を回収することが困難となり、生活用水の負担を軽減してい
る水道料金体系の見直しなど、一般家庭用の水道料金の大幅な値上げが避けられない状況とな
るおそれがあります。
・ 本市では、現時点で大口需要者が地下水利用へ転換するなどの、大きな動きはありませんが、
大口需要者の総有収水量に占める割合は、節水などへの取り組み等により年々減少傾向にあり
ます。
・ このことから、地下水利用への転換など、今後、大口需要者の水道水離れを抑制するために、
直接的には料金格差を緩和する制度ではありませんが、個別需給給水契約などの特約制度や、
水量料金における逓増逓減制の導入などの特別な料金制度についても検討する必要があると
考えます。
※【参考】大口需要者対策に関する制度について
参考1 個別需給給水契約制度の例
【概要】
大口需要者の申し出により個別に特約的な形で契約することで、需要者ごとに水道事業者
が基準水量を設定し、これを超えた分について、通常よりも割安な料金を設定する制度。
【導入事業体】
岡山県岡山市、栃木県宇都宮市、福岡県北九州市、福島県喜多方市、福島県福島市 など
【イメージ図】
【メリット】
・大口使用者の経費節減のための地下水等への転換を抑制することができます。
・水道水を多量に使用する企業の進出しやすい環境づくりができます。
・一定の水量を使用する需要者に選択性のあるメニューを提供することができます。
【デメリット】
・任意の契約となるため、対象となる大口需要者すべてに制度を周知するには、相当の期間
を要します。
・基準水量の設定方法により、需要者に割引効果があまり出ない場合があります。
【導入を検討する際の課題】
・申込条件の水量の設定方法及び基準水量の設定の方法により、対象となる需要者の数及び
割引対象水量が大幅に変わるため、設定の方法には慎重を要します。
【対象者と影響額】(件数、影響額は平成26年度決算値を基に試算) (福島市と同条件で制度を実施した場合)
・対象契約件数 108件(月平均1,500㎥以上の使用者) ・影響額(税抜) 約4,900万円の減収
使 用 水 量 前年度の最大使用水量
= 基準水量
前 年 度 の 最 大 使 用 水 量
基 準 水 量
使 用 水 量
使 用 水 量
前年度の最大使用水量 等が申込基準水量以上 であることが条件
基準水量を超えた部分が割引 対象の水量となる
【個別需給給水契約制度の導入事例】
岡山県岡山市 栃木県宇都宮市 福岡県北九州市 福島県喜多方市 ※福島県福島市
給水人口 703,942人 506,840人 995,526人 44,727人 275,117人
年間給水量 89,875,117㎥ 59,268,560㎥ 111,713,180㎥ 5,312,297㎥ 31,105,318㎥
導入時期 H17.4 H19.6 H21.4 H21.4 H28.7~(予定)
適用対象
直近1年間で2月
あたり約6,000
㎥以上の使用実績
直近1年間で1月
あたり3,000㎥
以上の使用実績が
6月以上
直近10年間に1
月あたり3,000
㎥以上の使用実績
直近1年間の1月
あたり平均使用水
量が1,000㎥以
上
直近1年間の1月
あたり平均使用水
量が1,500㎥以
上
基準水量
過去1年間の2月
あたり最大使用水
量×(60日÷使用
日数)
過去1年間の1月
あたり最大使用水
量×(30日÷使用
日数)
契約適用を希望す
る前1年間の1月
あたり最大使用水
量(1,000㎥未満
の場合1,000㎥)
前年度
月平均使用水量
月平均使用水量の
9割
基準水量を
超えた時の
単価
70円/㎥ 69円/㎥ 160円/㎥ 70円/㎥ 123円/㎥
料金
一般用 一般用 一般用 一般用 一般用
口径40㎜以上
従量料金
口径30㎜以上
従量料金
口径40㎜以上
従量料金
従量料金 従量料金
水量
(㎥)
料金単
価(円) 水量
(㎥)
料金単
価(円) 水量
(㎥)
料金単
価(円) 水量
(㎥)
料金単
価(円) 水量
(㎥)
料金単
価(円)
1~ 50 170 1~ 50 199 1~ 25 122 1~ 10 70 1~ 10 84 51~ 300 195 51~ 100 232 26~ 50 156 11~ 30 200 11~ 20 129 301 ~ 216 101~ 200 260 51~ 200 208 31~
基準水
量
参考2 逓増逓減型料金制度の例
【概要】
使用水量が増加するほど高額な単価を適用する逓増制を採用する一方、一定の使用水量を
超過した場合に、低額な単価が適用となる制度。
【導入事業体】
群馬県前橋市、佐賀県佐賀市、滋賀県草津市、京都府長岡京市 など
【イメージ図】 群馬県前橋市の例
【メリット】
・大口使用者の経費節減のための地下水への転換を抑制することができます。
・水道水を多量に使用する企業の進出しやすい環境づくりができます。
・逓減制の対象として設定された水量を超えて使用したすべての使用者が対象となるため、
公平性が確保されます。
【デメリット】
・既存の大口需要者の引き留めだけでは使用水量が横ばいとなり、逓減制の対象とした部分
が減収となります。
【導入を検討する際の課題】
・既存の大口需要者の引き留めには一定の効果はあるものの、増収を図るには、新規の大口
需要者を呼び込み、使用水量の増を図る必要があります。
・逓減制に移行する基準の水量設定により、対象となる需要者の数が大幅に変わるため、設
定の方法には慎重を要します。
【対象者と影響額】(件数、影響額は平成26年度決算値を基に試算)
(3,000㎥以上の使用単価を本市現行料金の第4段階の単価と同額とし実施した場合)
・対象契約件数 43件(月平均3,000㎥以上の使用者) ・影響額(税抜) 約2,100万円の減収
料金単価(円)
使用水量(㎥)
逓増部分 逓減部分
【逓増逓減型料金体系の導入事例】
群馬県前橋市 佐賀県佐賀市 滋賀県草津市 京都府長岡京市
給水人口 338,996人 189,468人 128,589人 80,338人
年間給水量 48,094,785㎥ 21,171,915㎥ 16,082,870㎥ 9,449,597㎥
導入時期
工場用 H15.4
H15.12 H17.4 H18.4
一般用 H19.3
対象 一般用及び工業用 公衆浴場用以外の全用途 一般用及び集合家事用 一般用
料金
(青塗り部分
は逓増制、赤
塗り部分は
逓減制)
一般用 一般用 一般用・集合家事用 一般用
水量(㎥)
料金単価
(円)
水量(㎥)
料金単価
(円)
水量(㎥)
料金単価
(円)
水量(㎥)
料金単価
(円)
9~ 30 111 11~ 30 190 11~ 20 120 1~ 10 65 31~ 50 144 31~ 60 195 21~ 35 150 11~ 20 125 51~ 300 179 61~ 80 240 36~ 100 220 21~ 30 220 301~ 3000 198 81~ 100 270 101~ 3000 270 31~ 100 230 3001~ 6000 175 101~ 3000 270 3001 ~ 220 101~ 3000 245 6001~ 10000 165 3001 ~ 200 3001~ 10000 255 10001 ~ 155 10001 ~ 200
工場用 工場用